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大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)

大鼓の基礎知識ー大鼓の組み立て方

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動画ファイル 【大鼓の基礎知識ー大鼓の組み立て方】の補足解説

大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)

※調べ緒の掛け方や小締の色や形状などは流派(葛野流、高安流、大倉流、石井流、観世流)により異なります。動画は、高安流大鼓方の作法です。

組み立て方

大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)

カンカンに乾いた革を焙じ台から外し、小鼓と同じように調べ緒を掛けていくが、大鼓は同じ所作を繰り返しながら、革を限界まで締め上げていく。(写真右)

動画では、大鼓方が何喰わぬ表情で淡々とこなしているが、素人が同じことをやると、アッと言う間に手のひらの皮が剥けてしまう過酷な作業でもある。 乾いた革を更に調べ緒で極限状態まで張って打ち込むため、長い演目の場合は、最後まで革の張りが持たない場合もあり、新しく組んだ大鼓を後見が準備しておくこともある。

指皮(ゆびかわ)

大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ) 大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)

革を打つ際には、右手の中指と薬指には、和紙で成形した指型のサックに鹿革を貼り付けた“指皮”をはめる。また、手の平には当て皮を取り付ける。
ただし、これらは手指を保護するというよりも、より鮮烈な甲音を生み出すための道具である。
手指を付けていても、大鼓方の右手の指先は指皮並みに硬化している。(写真右)
いわゆる素手打ちの古式奏法の時代は、革も薄かったと云われており、今のような分厚い革を素手で打ち鳴らすことは困難である。

大鼓の基礎知識ー打音の種類・手組

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動画ファイル 【大鼓の基礎知識ー打音の種類・手組】の補足解説

大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)

※扱いや打ち方の所作は流派(葛野流、高安流、大倉流、石井流、観世流)により異なります。動画は、高安流大鼓方の作法です。

鮮烈な打音

打音の種類は、小さく打つ「ツ」の音と、大きく打つ「チョン」音の二種類のみだが、打ち込まれてくる要所により、じつに豊かな表情をみせる。甲音は強烈なインパクトを放つが、生で体感するとキンキンとした耳障りな印象は一切伴わない。
遠くから頭上高く通り抜けていくような大鼓の甲音を断続的に聴いていると、まるで森林浴でもしているようなリラックスした気分になるから不思議である。
これは、大鼓の甲音には能管と同じく人可聴音域(20kHz程度)を超えた高周波が含まれてることが影響しているためと云われている。ただし、能管の項でも触れた通り通常のデジタル録音では20kHz以上はカットされてしまう。是非、能楽堂での演奏を体感して戴きたい。

囃子全体の骨組みとなる大鼓方の“掛け声”

大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)

大鼓は、能楽囃子の云わばコンサートマスター的な役割を果たしている。指揮者のいない能楽囃子が一糸乱れぬ拍子を刻むには、奇数拍を担う大鼓の掛け声や打ち込みがリードしていかなければならない。大鼓方にとって、打ち込みの音以上に掛け声が重要な要素となる。

手組(てぐみ)

小鼓と同じく、打込みと掛け声の組み合わせたリズム・パターンを『手組』と呼び、その数は二百種近くある。動画では、基本的な手組みから四つを紹介した。

コイ合(コイアイ)
小さく打つ音(=ツ)・掛け声「ヤアー」・「ハア」・強く打つ(=チョン)

ワルツゞケ(ワルツヅケ)
掛け声「ヤ」・強く打つ音(=チョン)・掛け声「アー」・「ハア」・「ヤ」・強く打つ音(=チョン)・掛け声「ハア」・強く打つ音(=チョン)

頭ニ(カシラニツ)
掛け声「イヤ」・強く打つ音(=チョン)・掛け声「イヤ」・強く打つ音(=チョン)

ツゞケ(ツヅケ)
掛け声「ヤ」・強く打つ音(=チョン)・掛け声「ハ」・「ハ」・小さく打つ音(=ツ)・掛け声「アー」・強く打つ音(=チョン)・掛け声「ヤ」・強く打つ音(=チョン)・掛け声「ハ」・強く打つ音(=チョン)

大鼓手組粒附

大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ) ※画像をクリックすると拡大表示されます。

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